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ファーマーズ広場

農業体験農園「百姓園」を開園し、今年で7年目

- 福岡市東区勝馬 北本雅義さん


「百姓園」(農業体験農園)は今年で7年目
 園主の北本雅義さん(36)は野菜の旬のおいしさや野菜作りの楽しさを消費者に身近に感じてもらおうと、福岡市東区勝馬に農業体験農園「百姓園」を開園し、今年で7年目を迎える。利用者は30~60代のファミリーや友人同士、企業の社員など40組で、自然あふれる山間の空気を吸いながら楽しんでいる。
 農作業に必要な農具、時期に合わせた種や苗、肥料などは全て農園が用意するので初めての方にも利用しやすい。一年間の作付け表をもとに、種のまき方、肥料の施し方、水やりなどの指導を受けながら1区画30平方メートルに約100種類(共有栽培も含む)の野菜を作る。「昨年、ハウスでトマトを育て、おいしいと喜んでいただけました。今ハウスでは、イチゴの花が咲き、実が赤く色づいています。会員の方に喜んでいただけたらと苗を植えてみました。1区画30平方メートルに加え、5~6人を1グループにして、各グループで話し合って好きな野菜を作ってもらうという事も始めました」と、利用者の「おいしい野菜をもっと作りたい」の要望に応える北本さん。

利用者とともに発展する農園
 野菜作りだけでなく山菜取りなど山里の自然と触れ合うイベントも行っている。開園当初から利用するベテランの方を中心に果樹部ができた。部ができるまで、北本さんが栽培したビワ、甘夏などの収穫体験を行ってきた。利用者から「自分の植えたいものを一から育て収穫を体験したい」の声に、北本さんは休耕田を提供した。「有志の企画で、昨年の10~12月に草刈りをして開拓し、野菜作りだけでなくレモン、ブルーベリー、オリーブなどの果樹を栽培しようと張り切っています。仕事や時間に追われる毎日から解放され、土に触れ自然と戯れる、このような時間を過ごしていただきたいと思います。園は大人や子ども、セカンドライフを送る人々の遊び場にもなっています。今皆さんが計画しているのは『ピザ釜をつくろう』だそうですよ」と積極的に楽しむ利用者の事を笑顔で語る北本さん。「人が集まるとおのずといろいろな意見が出て、私自身も勉強させていただいています。『北本さん、どのようにしたらいい?教えて?手伝うよ』と声も掛かり、皆さんとは続ければ続けるほどいい関係ができていくと実感しています。皆さんとは家族みたいです」。北本さんは利用者の要望や構想に応えようと今後も尽力し続けます。

メモ
相談していただければ園主の方で管理補助をしますので、週末にちょっと息抜きに来るようなそういう場所にしたいと思っています。園主が栽培し、収穫した野菜を会員へ発送するという事もできます(北本さん)。

説明会   2月15日(日) 、3月15日(日) 各日10時~
      ※参加希望の方は、下記の携帯へご連絡の上ご参加ください。 
申込先   090-9589-5666 北本
場 所   喜多乃家 福岡市東区大字勝馬257-4
年間費用  45000円(種・苗・肥料等含む)
メールアドレス hyakushouen.com@docomo.ne.jp  

東区勝馬でイチゴ栽培を始めた新規就農者です

- 福岡市東区西戸崎 前村 健太さん


東区勝馬でイチゴ栽培を始めた新規就農者です。福岡県農業大学校の花きコースで1年間学び、その後1年間花き農家でトルコキキョウなどの栽培を学びました。

―就農のきっかけ
 大学卒業後、関東で就職し企業に勤務していましたが、そろそろ九州に帰り、両親も含め家族経営ができる農業を始めようと考えるようになりました。鹿児島で農業指導をしていた祖父の影響もあります。決心後、車いすの祖父に「転職してイチゴ栽培をすることにした」と報告すると「それは良かった」と喜んでくれました。その祖父も7月末に他界しました。102歳でした。真っ赤に実った、私のこの手で初めて作ったイチゴを一番に食べてほしかった!残念です。
 両親は農家出身ではありません。そのため農業に関しては、農機具や圃場など何もないゼロからのスタート。あるのは農業大学校で学んだ知識と誰にも負けない、就農で自立するという強い気持ち、そして妻の力強い応援です。

―現在は
 母方の親類の紹介で東区勝馬の鍋島さんにお世話になり、ご指導いただいています。勝馬はイチゴ栽培のベテランの方が何人もいらっしゃいます。このことがイチゴ栽培にかけてみようと思うきっかけになりました。現在は、1月に鍋島さんから分けていただいた420株の親株からとった5000株の子株を育苗中です。場所は前田さんの圃場をお借りしています。今のところ、私の中ではまあまあ順調にいっていると思います。

―今後は
 目標は、遅くとも5年後には自立していることです。この間に栽培地を増やし、収量、収益を少しずつ上げていきます。将来は、露地栽培だけでなく、高設栽培も取り入れて観光農園も営むなど、構想は膨らみます。新規就農者は2~3年でだめになるとよく言われるそうですが、この言葉を払拭できるよう頑張っていきます。みなさん、どうぞよろしくお願いします。

取材EYE
 「前村さん、頑張ってください」
前村さんのお父さんは、父親の影響で農業に関する知識が豊富で、自身は会社勤めをしながら描いてい菜園で野菜を栽培しています。お母さんはフラワーアレンジメントが趣味。そして奥様は管理栄養士の資格を持ち仕事をしています。
 あさ、お父さんの畑から収穫した野菜と、健太さんが栽培したイチゴを使って料理する奥様。同じレストランの一角でフラワーアレンジメント教室を開くお母さん。お客様は、おいしい料理を食した後、好きな花で、花のバスケットを作ります。お土産には野菜やイチゴや花かごなど。小さなお子さんから年配の方々まで笑顔があふれる「前村ファーム」が見えてきました。
これは私(取材者)の勝手な勝手な想像です。前村さん、期待しています。

野菜作りが楽しい!お客様にお会いすることも楽しい!

- 福岡市東区勝馬  上田 早苗さん(73)


 「待ってたよ!」「いつもの漬け物ある?」「榊は?」と早苗さんの軽トラックが着くと数人の方が近寄り、荷台を覗き込みます。荷台には旬の野菜や果物、生花、漬け物など、他では味わえない物が積まれています。「これと、これを頂戴ね」と買い物のあとは、いつものお決まりの世間話が始まります。「伺った先でお茶をごちそうになったり、日によっては、今日の商いはここで打ち切り!と言って時間の許す限り話し込んだりします。お客さんは私と同年齢か年上の女性です。楽しいですよ。商いそっちのけで、皆さんとお会いしておしゃべりするために続けているようなもの」と話す早苗さん。農作業などが忙しく1週間ほど休むと、「具合でも悪いのかと思って心配していたよ」とあったとたんに声をかけてくれます。「皆さんが待っていてくれるのでうれしいです」
 商いは、福岡市東区志賀島内に位置する弘地区と志賀地区の個人宅20件ほどのお得意さんを週に2~3回、巡回しています。他に第2・第4土曜の午後2時から開かれる夕市にも出店しています。また、甘夏やビワの収穫時期には休暇村志賀島で志賀島のお土産にと販売しています。
 商いを始めて約20年。昨年、大手術をしました。「このときほど、私は娘や孫たちに囲まれて幸せものと強く感じたことはありませんでした。時折、家事や農作業も手伝ってくれます。体調と相談しながら体力の続く限り、これからも商いを続けていきたいです」と早苗さん。

取材EYE 
野菜は朝収穫したピチピチの旬の物だけ。野菜だけでなく、神棚に祀る榊は畑の土手に植わっている木の枝を、14日と月末に一軒分ずつ束にし、20件分を用意。早苗さんが販売するものは全て自家製。日本がその昔、多くの人が自給自足で生活していたそのままの暮らしが早苗さんには息づいています。今、この暮らし方が見直されています。
早苗さんを待つお客様は「週1回でも寄ってくれて、買い物をしておしゃべりする時間が待ち遠しい!」と言います。早苗さんの笑顔と、自分自身にも言い聞かせながら話すしっかりとした口調は、なんとも言えず心がじんわり。人の温かさや元気がもらえる商いです。

私たちが心を込めてイチゴを育てています

- 福岡市東区三苫 堺 公彦さん、佳代子さん


 家族で力を合わせてイチゴを栽培する堺さん一家。公彦さんが両親の後を継いで23年。その間、品種を「とよのか」から「博多あまおう」に転換しました。有機・減農薬にこだわる公彦さんは、「博多あまおうは、たんそ病が出ると一気に広がります。農薬をできるだけ使いたくないので、病害予防には気を許せません。私たちも毎日、出荷するイチゴと同じものを食べています。幼い頃からイチゴを栽培する両親の背中を見てきました。私もず~っと農業一筋です」と穏やかに語るその笑顔は安全安心だという自信にあふれ、有機・減農薬にこだわります。
 
堺さん家に嫁いで4年目という佳代子さん。初めて、とりたてのイチゴを口にしたとき、イチゴってこんなに甘くておいしいものだったのね!今まで食べていたイチゴとは全く違う!」と感動したそうです。そんな佳代子さんも両親と夫の公彦さんがする作業を、見よう見まねで手早く行っています。「父と母が元気で一緒に働けることに幸せを感じています。私は未だ未だ足下にも及びません。負けています(笑)。いつも私のちぎり方はこれでいいのかしら。雑じゃないかしらと思いながら作業しています」と始終笑顔の佳代子さんです。公彦さんは、今後、規模はそのままで現状を維持し、設備に投資していきたいと考えています。

取材EYE
家族経営で、皆で協力して続けていきたい!
堺さん一家では6棟のハウスのうち3棟を高設栽培をしています。「私は、高設より露地の方がおいしいように感じます」と公彦さん。手をかけただけ、生産者の愛と大地の恵みと太陽の光をいっぱいに受けて育ったイチゴはとってもおいしいものです。「家族経営で、皆で協力して続けていきたい!」と力強く話す公彦さん。家族の絆がより深まり、イチゴのランナーが親株から伸びて増えていくように堺さん一家の夢も広がっていきます。

みんなを笑顔にするイチゴを作りたい

- 福岡市東区勝馬 沖 正輝さん、正文さん


 安全で品質の良い、輝いているイチゴを栽培することに専念する沖さん親子。正輝さんが本格的に就農した10年前は、それまでの「とよのか」や「さちのか」に替わって「博多あまおう」に移行した頃です。「博多あまおう栽培にはそれまでの栽培方法が参考にならず、保有していた苗がたんそ病にかかり、不足分を他のJAに取りに行ったときは切なかったです」と話す正輝さん。その後、試行錯誤の末、現在は2万株を定植しています。

 3年前から正輝さんと一緒にイチゴ栽培を始めた息子の正文さん。「栽培方法で父と意見を交わし、言い争いになるときもあります。私の意見を受け止めてくれる父には感謝しています」と話す正文さん。3年前の4月、沖さんのハウスで、イチゴ狩りをした人たちが「おいしい!おいしい!」と、パクパクとイチゴをほおばる幸せそうな笑顔を目の当たりにした正文さん。「みんなを笑顔にするイチゴを作りたい」と就農を心に決めました。そんな息子の様子を見て正輝さんは「後継者がいると栽培にもおのずと力が入ります」と先の3年後、5年後のことを考え、設計図を頭の中に描いていきます。
 沖さん親子は次年度に、収穫や管理作業に腰をかがめなくてよい高設栽培を計画しています。それはトタン板を使用する低コストなベンチ栽培です。正文さんは、福岡市立勝馬小学校の要請を受け、1、2年生の児童4人にイチゴの路地栽培を今年度から指導しています。「子どもたちの期待を裏切らないよう、温度管理などに気をつけています」と正文さん(指導の様子は次号の4月号で紹介します)。次年度も勝馬小学校への指導と、高設栽培の準備で忙しくなりそうです。

取材EYE
新しい栽培方法を柔軟に取り入れ、それを沖式に変え、最適な栽培方法を二人で生み出していこうとする沖さん親子。初挑戦で切磋琢磨するお二人の姿は素晴らしいと感じました。「安全で品質の良い、輝いているイチゴを作りたい」と正輝さん。勝馬小学校の児童に「イチゴに挨拶をして、イチゴをよく見て会話をしましょう」と話す正文さん。ハウス内は、愛情たっぷりに育てられ、誇らしげに輝きを放つイチゴでいっぱいです。数日後、イチゴを頬張った多くの人に、きっと笑顔があふれていることでしょう。