農業者インタビュー
ホーム  農業者インタビュー  農業を始めて出来た“縁”に感謝 美味しいイチゴを作って志賀島ブランドを高めていきたい

農業を始めて出来た“縁”に感謝 美味しいイチゴを作って志賀島ブランドを高めていきたい

志賀島農業研修施設 第一期生 森田 朋季さん(48歳)

 今回は就農4年目の森田朋季さんにインタビューしました。森田さんは志賀島農業研修施設の第一期生。2018年春に入校し、農業の基礎知識やイチゴ栽培の技術を約一年間学び、修了後は志賀島の勝馬地区で就農しました。現在は18アール(ハウス6棟)でイチゴを栽培しています。今回は、就農に至るまでの経緯や、就農後に感じていること、今後の目標についてお伺いしました。
(令和4年12月取材)

モノづくりが好きだった子ども時代

 「子どもの頃は絵を描いたりモノを作ったりするのが好きでした。生き物も好きだったので、将来は画家か獣医になりたいと思っていました」と話す森田さん。もともと喘息持ちで、運動よりも芸術分野に興味があったので、美術短大に進みました。農業に関しては、小学校で学童稲作や野菜収穫を体験する程度。「家族や親せきも農業とは無縁。おぼろげな記憶で、私が2~3歳の頃に祖父が畑仕事をしていたのを見たな…くらいですね」と話します。美短卒業後は紆余曲折を経て医療福祉分野の仕事に従事。人と密接に関わり、力仕事も多い大変な仕事だったそうですが、「頼られることが増えると、安心感を与えられていると実感し、やりがいにつながっていました」といいます。一方で、勤務時間が不規則であったり、収入面の不安を感じることもあり、「自分で食べていくために手に職をつけたい。食料自給率も下がっている今、やるなら第一次産業だ!」と決心し、就農を志したそうです。

JAという安心感に惹かれ入校を決意

 自身の就農に向けて2017年1月に農業相談会に参加した際に、初めて「JA福岡市東部志賀島農業研修施設」の研修生募集を知った森田さん。「当時は農業大学校も検討していましたが、実家が農家ではないので、卒業後に農地を確保して就農できるか不安がありました。しかし、JAの研修施設であれば、農地確保や栽培に関するサポートなど他にはない安心感がありました。また、東区在住なので、生活圏を変えずに就農できる点も魅力に感じ入稿を決めました」と話します。

モノづくりで成果を出せるのが農業の魅力

 就農して4年目を迎え、「立地や土壌特有の苦労や課題は変わらないので、毎年試行錯誤しています」と話す森田さん。今シーズンは定植時期が遅くなり、害虫との戦いにも苦労したそうです。ハウスに苗を植えた後は、しっかり育つように気を配り、現在は順調に生長しています。「栽培に関しては、学ぶことがたくさんあります」とイチゴ栽培の難しさを感じつつ、日々努力を続けています。
 「手間をかけてイチゴを完成させることは広い意味でモノづくり。モノづくりで成果が出る、頑張った分だけ自分に返ってくる点は農業の魅力だと思っているので、畑の畝たてや葉かきなどの作業は大変ですがやりがいを感じます」と話します。

農業を始めて感じた「人とのつながり」と「ありがたさ」

 同地区で就農して感じることは、農業恵雄営む環境や周囲の支援に大変恵まれていることだそうです。「離農された方から広い土地を貸してもらえたり、困ったことがあれば助けてくれる人がいたりと、『農業をするためにこれまでの人生があったのではないか』と感じるほどです。就農して出来た人との縁やつながりに感謝するばかりです」と話します。
 今後は、いい出会いがあれば人を雇って栽培に専念できるシステムを作りたいと話す森田さん。その先には、栽培面積を増やして利益拡大をめざしたいという夢もあります。

農場の名に恥じないイチゴを作る

 森田さんは現在、JAを通じて市場に出荷するほか、直売所や知人を通じて販売しています。「直売所などで販売する際は、『ちびた農場(ファーム)』と名付けて販売しています。『美味しかったからまた買いたい』『いつ食べても美味しい』と言われるイチゴを作りたいです。農場の名に恥じない、甘みと酸味のバランスが取れた美味しいイチゴを安定的に作れるよう頑張ります」と話します。
 また、志賀島ブランドをさらに広めていきたいという目標もあります。「知人を通じて販売すると、志賀島の名前に魅力を感じてくれるお客さんにも出会います。もっと志賀島産をアピールして、志賀島の農業を多くの人に知ってもらい、志賀島ブランドの価値を高めていきたいです。そして志賀島の農業がもっと盛り上がるよう、自分自身も努力したいです」と、力強く話してくれました。

森田さんが育てたイチゴは農産物直売所「愛菜市場」で販売しています。森田さんが愛情を込めて丁寧に育てたイチゴをぜひご賞味ください!