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志賀島に移住・就農して3年目 70歳を超えても元気に農業を続けたい

福岡市東区志賀 松尾巧蔵さん(49歳)

今回は就農3年目を迎えた松尾巧蔵さんにインタビューしました。松尾さんは志賀島農業研修施設を修了し、志賀島に移住・就農。現在は0.8反の作付面積でイチゴ(あまおう)を栽培しています。
(令和4年9月取材)

農業への興味は子ども時代に見た農家がきっかけ

 自然が多く、家の近所には田んぼや牛舎がある環境で育った松尾さん。小学生の頃は水泳やサッカーを習っていました。サッカーは中学生まで続け、「上手ではなかったけれど一番好きなスポーツでした」と話します。
 農業に興味を持ったきっかけは近所の農家でした。「私の親が建築現場に出向く職業で、県外に行くこともありました。家の近くで働く農家さんが農作業に汗を流す姿が子どもの目には魅力的に映りました」と当時を振り返ります。親に話すと、「農業は農家の家系にしかできないのよ」と言われて諦めたそうです。「実際に農地や農機具、農業を教えてくれる人が必要なので、親の言葉にも一理あると思います」と話す松尾さん。農業に触れる機会もなく電気工事の仕事に就き、「土木電気」と呼ばれる街灯や情報板、信号などの電気工事に携わってきました。収納した今は、必要な設備を自作する際に当時の経験が生かされています。
 再び農業に興味を持ったのは今から10年ほど前で、起業を考えていた時に様々な方法で就農できると知ったことがきっかけです。その際、自分の技術や努力の成果が直接感じられ、定年がなく長く続けられる農業に改めて魅力を感じ、志賀島農業研修施設に入校、現在に至ります。

情報収集や意見交換をして自分なりにチャレンジ

 イチゴ農家の先輩方に、分からないことを相談するなど、情報収集を心がけています。特に水の管理は畑によって異なるため難しく、経験豊富な先輩からの話はとても勉強になると言います。また、研修施設の同期の梅津さんとはよく意見交換をして、互いの成長を感じているそうです。「研修生の頃から一緒に頑張ってきたので話しやすいです。お互い色々と試してみたいタイプなので、情報交換しながらチャレンジしていますよ」と、会話から気心が知れた仲であることが伝わってきます。

一人で農業する大変さを実感

 就農して3年目を迎え、就農当時と考え方が変わった点もあります。年々、作業効率を意識するようになり、収穫やパック詰めなどのスピードが上がってきました。一方で、一人で担う農業に大変さを感じています。今年は特に、育苗場所の移動作業も同時に行なっているので、例年よりも作業量が多く忙しいそうです。「育苗場所は頻繁に動かすものではないので、今は休みがあまり取れず大変ですが地道に進めています。今が頑張り時です」と話します。
 20〜30代の頃は、海や山でウェイクボードやスノーボードなどを楽しんでいたという松尾さん。「今は忙しくて実現できていませんが、作業が落ち着いたら、まずはウォーキングやサイクリングをしてリフレッシュする時間を作りたいです」といいます。

先輩方のように元気に農業を続けたい

 「今シーズンは反あたり4トンの出荷が目標です」と話す松尾さん。出荷も12月の早い時期をめざしてします。あわせて、安定出荷も目標の一つに掲げています。「とても難しいことですが、目標に近づけるよう努力し続けたいです」と意欲的です。
 「志賀島地区には70歳を超えても元気に農業されている方がいらっしゃいます。私も先輩方のように長く農業を続けられるよう頑張りたいです」と、農家として今後の大きな目標も語ってくれました。